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【レポート】芝の古刹で特別上映!「100万人のキャンドルナイト」とコラボレーション!, 6/16, 増上寺

2018/06/23

2018年6月16日(土)、東京芝公園の大本山増上寺にて、「100万人のキャンドルナイト@増上寺」が開催されました。「でんきを消してスローな夜を。」をスローガンにしたこのイベントは、有機食品の宅配事業を行う大地を守る会とラジオ局J-WAVEが主催。2003年から毎年夏至の夜に開催し、今年で16年目を迎えました。

今年は初の取り組みとして、SSFF & ASIAがコラボレーション。環境をテーマにしたショートフィルム2作品を上映しました。また、映画祭代表の別所哲也とフェスティバルアンバサダーで映画コメンテーターのLiLiCoさんに加えて、フェスティバルナビゲーターの今市隆二(三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE)さんが登場し、カウントダウンを行いました。

増上寺全景

イベントの冒頭では、発起人でオイシックスドット大地株式会社の藤田和芳会長と映画祭代表の別所哲也が挨拶。

藤田会長は「豊かで便利、でも忙しい毎日。1年で2時間でいい、電気を消してみよう。電気を消すと今まで見えないものが見える。私たちの文明のあり方、社会がどう向かっているのか、考えてみよう」とイベントの趣旨を紹介。

別所代表は、「シネマは光の芸術。暗闇を共有することで、もう一度、光の意味を考えたい」とコメントしました。

別所哲也(左)・藤田会長(中央)・司会のレイチェル・チャンさん(右)

続いて、ステージには坂本美雨さんとMichael Kanekoさんのユニット「nyca」(にゃいか)が登場。オリジナル曲や映画『ネバーエンディングストーリー』の主題歌など映画と縁の深い曲を6曲演奏しました。マイケルさんのアコースティックギターの音色と坂本さんの伸びやかで透明感のある歌声に、会場に集まった観客の皆さんはリラックスした様子で聞き入っていました

nyca(にゃいか)

 

だんだんと夜の帳が下りる増上寺。ここからはSSFF & ASIA「地球を救え!部門 supported by リンレイ」から作品を屋外上映する「キャンドルシネマタイム」。1作品目は、今年の同部門優秀賞受賞作品『森林』(Guilherme Gehr監督)を上映しました。森林破壊で失われていく未来を、現実と空想が入り混じる独特なタッチで描いた本作。森林という世界観、広い空を鮮やかに描いた描写、屋外で観るとスクリーンの外にも映画が広がっているような味わいがありました。

上映後は、別所代表とLiLiCoさん、さらに「地球を救え部門!supported by リンレイ」の審査員を務めた坂本美雨さんが登場。司会はレイチェル・チャンさんと、それぞれJ—WAVEで番組を持つ面々。坂本さんは「伝えるのが難しい環境問題。ややもすると押し付けがましくなってしまう。だからこそ世界中の監督たちが、ユニークでファンタジックな工夫を重ねている」と、ノミネート作品についてコメントしました。

つづいて、同部門J-WAVEアワード受賞作品『シロクマとグリズリー』(Paloma Baeza監督)を上映しました。

地球温暖化で氷が溶けていく北極が舞台。お腹をすかせたシロクマの前に、森林破壊で故郷を追われたグリズリーが現れます。ふたりのクマたちが向かう先とは・・・?という内容。実際に起きている深刻な環境問題をテーマにしながら、クマのアニメーションという可愛らしいモチーフを用いることでウィットに富んだ作品になっています。

「審査作品は2歳10ヶ月の娘と一緒に観たのですが、唯一反応した作品がこの作品でした。環境問題は10年先20年先も続いていきます。子どもたちにも届く作品を作ることが重要ですね」と坂本さん。

 

さて、20時の一斉消灯が迫ってきました。カウントダウンコールにはフェスティバルナビゲーターの今市隆二(三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE)さんが登場。会場に集まった今市ファンから黄色い歓声が上がります。新曲『FUTURE』をSSFF & ASIA 2018 公式ソングとして発表した三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE。今年は山下健二郎さん・岩田剛典さんがショートフィルム『ウタモノガタリ』に出演するなど、ショートショートと深い縁があります。

今市さんは自身の未来(FUTURE)について質問され、「今年からソロプロジェクトに力を入れていて、MVなどで演技にも挑戦しました。今後ご縁があればショートフィルムにも出演したいです」と語り、会場を沸かせました。

今市隆二さん

そうこうしているうちに20時20秒前。今市さんらの掛け声に合わせて、会場の全員でカウントダウン。3・2・1・・・・!増上寺本堂の明かり、そして背後にそびえる東京タワーのライトアップが消灯し、本堂前の階段に並ぶキャンドルの揺らめく火が柔らかな明かりで周囲を照らします。こうして、2時間のキャンドルタイムが始まりました。

 

 

Miyuuさん

消灯後は再び音楽の時間。SSFF & ASIA から生まれたショートフィルム『Brakers』の主題歌を歌うMiyuuさんがアコースティックな歌声を披露しました。

キャンドルナイトとショートフィルム。初の組み合わせでお送りした本企画。イベント型の屋外上映に短い尺のショートフィルムはピッタリかもしれません。

そして、坂本さんのおっしゃる通り、環境や平和を考えるきっかけを作るのにも映画(なかんずく短編)という表現は大きな可能性をもっていると言えます。ロジックや正論だけでは伝わらないことも、映像や音楽といった表現でなら伝えていける。ショートフィルムの可能性に改めて気付かされた夜でした。

 

(ショートショート実行委員会 大竹)